まず、あわてなくて大丈夫です
家を相続すると、やることがいっぺんに降ってきます。でも、順番に見ていけば難しくありません。大きく分けると、次の3つです。
- 名義を変える(相続登記。いまは義務です)
- 税金を確認する(相続税がかかるか、売るなら譲渡所得税、持つなら毎年の固定資産税)
- 家をどうするか決める(住む・貸す・売る・壊す・そのまま持つ)
このページは、お金と手続きの全体像を中学生にも分かる言葉でまとめたものです。個別の税額や手続きの判断は、税理士・司法書士などの専門家の仕事です。当社は解体と片付けの専門ですが、「誰に何を聞けばいいか」の整理もお手伝いします。
相続した家、5つの選び方
| 選び方 | こんな方に | 気をつけること |
|---|---|---|
| 住む | 自分や家族が住み替えたい | 古い家は耐震・水回りの改修費がかかることがあります |
| 貸す | 家賃収入がほしい。家を残したい | 修繕費・入居者対応・空室のリスク。古い家は改修しないと借り手がつきにくいことも |
| そのまま売る | 誰も住む予定がない | 荷物の片付けが先に必要。古い家は「現況のまま」だと値がつきにくいことも |
| 壊して土地として売る・使う | 建物が傷んでいる。更地のほうが売りやすい | 解体費用がかかる。更地にすると土地の固定資産税が上がることがある |
| そのまま持つ | まだ決められない | 固定資産税・草木・防犯などの管理が毎年続く。放置すると「特定空家」のおそれ |
※ どれが正解、というものはありません。ご家族の状況・建物の状態・場所で変わります。
「そのまま持つ」と、毎年かかるもの
誰も住んでいなくても、固定資産税は毎年かかります。そのほか、草刈り・見回り・火災保険、水道や電気の基本料金などの負担が続きます。
管理が行き届かず、倒れそう・衛生上有害・景観を損なうなどの状態になると、市から「特定空家」に指定されることがあります。さらに近年の制度では、そうなる前の「管理不全空家」の段階でも指導・勧告の対象になり、勧告を受けると、住宅用地の固定資産税の軽減が外れます(国土交通省「空家等対策特別措置法」)。
更地にした場合の税の変化や、北九州市の空き家の補助金は、重ねて書かず、次のページに分けています。
相続税は、かかるの?
心配される方が多いのですが、相続税がかかる家庭は、実際にはそれほど多くありません。相続税には「ここまでは税金をかけません」という線(基礎控除)があるからです。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数(国税庁 タックスアンサー No.4152)
亡くなった方の財産の合計(家・土地・預貯金などを評価したあと、借金や葬儀費用などを引いた額)が、この線より小さければ、相続税はかかりません。
| 法定相続人の数 | 基礎控除(目安の線) | 例 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,600万円 | 子ども1人だけが相続 |
| 2人 | 4,200万円 | 配偶者と子ども1人 |
| 3人 | 4,800万円 | 配偶者と子ども2人 |
| 4人 | 5,400万円 | 配偶者と子ども3人 |
※ 法定相続人とは、民法で決まっている「相続する権利のある人」のことです。実際に誰が相続するかとは別に数えます。
家の「評価額」は、売れる値段とは別
相続税を計算するときの土地の値段は、売買の相場ではなく、国税庁が毎年公表する路線価などを使って決めます。建物は固定資産税の評価額が基本です。古い家は建物の評価額がとても低いことが多く、「家は古いけれど、土地の評価額が大きい」というケースが中心になります。
路線価は国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で誰でも調べられます(出典参照)。
土地の評価額を下げる「小規模宅地等の特例」
亡くなった方が住んでいた家の土地は、一定の条件を満たすと、330平方メートルまで評価額を80%減らせる制度があります(特定居住用宅地等。国税庁 No.4124)。ただし、誰が相続するか(配偶者、同居していた子、一定の条件を満たす別居の子など)、その後も住み続けるか・持ち続けるかで使えるかが変わります。条件が細かく、申告が必要です。
相続税がかかる場合の申告と納税は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。特例を使うときは、「税金がゼロになる場合」でも申告が必要になることがあります。迷ったら早めに税理士へ。
名義の変更(相続登記)は義務になりました
これまで相続登記は任意でしたが、令和6年(2024年)4月1日から義務化されました(法務省)。
- 相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請する。
- 正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になることがある。
- 令和6年4月より前に相続した不動産も対象。令和9年(2027年)3月31日までの猶予があります。
- 遺産分けの話し合いがまとまらないときは、「相続人申告登記」という簡易な手続きもあります。
手続きは司法書士の専門です。当社でできるのは、解体後の建物の滅失登記に必要な書類の準備などです(解体の流れ)。名義が亡くなった方のままでも、解体の見積・ご相談は可能です。
売るときの税金と、使える特例
相続した家や土地を売って利益(譲渡所得)が出ると、所得税・住民税がかかります。ただし、条件を満たせば大きく減らせる特例があります。
相続した空き家(または、壊したあとの敷地)を売ったとき、利益から最大3,000万円を引けます(国税庁 No.3306)。主な条件は次のとおりです。
- 建物が昭和56年5月31日以前に建てられたもの
- 相続の開始から3年を過ぎる年の12月31日までに売る
- 売却代金が1億円以下
- 相続した人が3人以上のときは、1人あたり2,000万円まで(令和6年1月1日以後の売却)
- 壊して敷地だけ売る場合は、売るまでの間に貸したり事業に使ったりしていないこと、など
確定申告で適用を受けます。条件が細かく、制度の見直しもあります。必ず税務署か税理士に確認してください。「売る前に壊すか、壊さないか」で使えるかが変わる場合があるため、解体を決める前にご相談いただくのがおすすめです(用語の解説)。
どうしても手放したいとき
売れない・引き取り手がいない土地は、条件を満たせば国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度(令和5年4月27日開始。法務省)があります。建物が建っている土地は対象外なので、先に建物を解体する必要があります。審査手数料と、10年分の管理費相当の負担金が必要です。詳しくは法務局へ。
よくある質問
相続税がかかるかどうか、まず何をすればいいですか。
財産の一覧を作るのが第一歩です(家・土地・預貯金・保険・借金)。それを基礎控除の線(上の表)と見比べます。ぎりぎりの場合や、小規模宅地等の特例を使いたい場合は、税理士にご相談ください。
家を壊すと、相続税は安くなりますか。
壊しても、相続税の評価額は基本的に変わりません。壊した後の固定資産税(土地)は上がることがあります。特例が使えなくなる場合もあるため、壊す前に確認してください。
兄弟で意見が割れています。解体の見積だけもらえますか。
もちろんです。見積は無料で、金額の目安があると話し合いが進みやすくなります。相続がまとまっていない段階のご相談も歓迎です。
荷物がそのまま残っています。先に片付けるべきですか。
そのままで構いません。形見分けしたいもの、権利証や通帳などの大事な書類、仏壇などは先にお申し付けください。残置物の撤去・お片付けも承ります。
解体費用はいくらくらいですか。補助金は出ますか。
木造なら坪単価の目安があります(料金の考え方)。古い空き家は補助金(最大30万円)の対象になることがあります。使えるかの確認も当社が代わりに行います。
相続登記をしていなくても、解体できますか。
ご相談・見積はできます。ただし、実際の解体の依頼は、原則として所有者(相続人全員)のご了解が必要です。登記は司法書士に依頼するとスムーズです。
誰に相談する?
| 困りごと | 相談先 |
|---|---|
| 相続税の計算・申告、特例が使えるか | 税理士 |
| 名義変更(相続登記)、相続関係の書類 | 司法書士 |
| 相続人どうしの争い | 弁護士 |
| 売却・貸す・査定 | 不動産会社 |
| 解体の見積、荷物の片付け、補助金の確認、どこに何を聞けばいいかの整理 | 忠謙工業(無料) |
このページは一般的な制度の紹介です。忠謙工業は税理士・司法書士ではなく、個別の税額・申告・登記の判断はできません。制度や数字は変わることがあるため、最新の内容は下記の出典や専門家でご確認ください(確認:令和8年11月)。必要であれば専門家のご紹介もできます。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.4152「相続税の基礎控除」 nta.go.jp
- 国税庁 No.4124「小規模宅地等の特例」 nta.go.jp
- 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 nta.go.jp
- 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」 rosenka.nta.go.jp
- 法務省「相続登記の申請義務化」 moj.go.jp
- 法務省「相続土地国庫帰属制度」 moj.go.jp
- 国土交通省「空き家対策(空家等対策の推進に関する特別措置法)」 mlit.go.jp
どんな些細なことでも、気軽にご相談ください
「何を聞けばいいかも分からない」で構いません。写真が数枚あれば、おおよその費用をお伝えできます。見積と現地調査は無料。お断りいただいても費用はかかりません。
まずは、いくらか知るところから。
現地調査もお見積も無料です。そのあとお断りいただいても、費用はいっさいいただきません。「解体するかまだ決めていない」という段階のご相談も歓迎です。