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北九州市のごみ処理を、他の市とくらべる
出したごみは、焼却工場で燃やされ、資源は選別され、残りは海の処分場に埋められます。北九州市の処理のしくみと処理能力を、全国の政令指定都市(20市)とくらべて、特徴を説明します(環境省の令和6年度調査・令和8年11月4日に整理)。
人口10万人あたりの焼却工場の処理能力は232.9トン/日。2位の仙台市(169.0)を大きく上回ります。
市民1人が1日に出すごみ(事業系も含む)は20市で最も多く、全国平均(839g)の約1.3倍。事業系ごみの多さが影響していると考えられます。
リサイクル率は20市のなかで上位(4〜5位)。全国平均(19.3%)より高めです。
1 北九州市のごみはどう処理される?
※ 市の公式ページには、家庭ごみから最終処分までを1枚にした流れ図は見つかりませんでした。この図は市の施設案内・各施設ページの記述から組み立てたものです。響灘西地区廃棄物処分場は面積574,000㎡で、令和7年度から次期処分場(令和14年度の供用予定)までのあいだ、産業廃棄物と土砂の受け入れを止めています。出典:北九州市 響灘西地区廃棄物処分場・ごみ処理施設案内。
3つの焼却工場の処理能力
| 工場 | 処理能力(t/日) | 炉の数 | 使いはじめ | 発電出力(kW) | ひとこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 新門司工場 | 720 | 3 | 2007年度 | 23,500 | ガス化溶融方式 |
| 日明工場(新) | 508 | 2 | 令和7年4月 | 18,000 | 民間と組んで建設・運営(PFI)。旧工場の置き換え |
| 日明工場(旧) | 600 | 3 | 1991年度 | 6,000 | 令和6年度の調査の時点の工場 |
| 皇后崎工場 | 810 | 3 | 1998年度 | 17,200 | 令和6年度の発電量は約88,000MWh |
※ 合計は、令和6年度の調査どおり旧日明を含めると2,130 t/日、令和7年4月に新しい日明工場が使われはじめてからの能力(旧日明を除いた場合)は2,038 t/日です。下の比較では、年度をそろえるため2,130 t/日で計算しています(2,038 t/日なら10万人あたり222.8 t/日で、順位は変わりません)。出典:北九州市 焼却工場・日明工場・環境省の施設表。
2 政令指定都市20市とくらべてみよう
人口の多い市は、ごみの量も施設も大きくなります。そこで人口あたりの数字でくらべます。黄色の行が北九州市です(令和6年度・人口は令和6年10月1日)。
① 焼却工場の処理能力 人口10万人あたり・t/日
※ 稼働中の焼却施設の処理能力(t/日)の合計÷人口×10万。「能力」は施設の設計上の上限で、実際に燃やした量ではありません。
② 1人が1日に出すごみの量 g/人・日(事業系・集団回収を含む)
※ 「家庭1人あたり」ではなく、会社やお店から出るごみ(事業系)と集団回収も含んだ値です。北九州市の内訳は、事業系が約610g、家庭系(集団回収を含む)が約518gで、家庭系だけなら20市のなかで中位です。
③ リサイクル率 %
※ 分別や資源回収の仕組み(集団回収の多さ、プラスチックの扱いなど)が市ごとに違うため、数字の差は「がんばり」だけを表すものではありません。
④ 最終処分(埋め立て)の量 1人あたり・g/日
※ 北九州市は海面埋立(響灘)のため、内陸の埋立地の市とは意味合いが違います。焼却灰・不燃性ごみ・産業廃棄物の一部も受け入れていることが数字に影響している可能性がありますが、原因までは調べていません。
20市の数字を表で見る
| 市 | 人口(万人) | 1人1日排出量(g) | リサイクル率(%) | 焼却能力(t/日) | 10万人あたり(t/日) | 最終処分(g/人・日) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 札幌市 | 196.8 | 794 | 24.0 | 2,100 | 106.7 | 87.2 |
| 仙台市 | 106.5 | 918 | 17.5 | 1,800 | 169.0 | 109.2 |
| さいたま市 | 135.0 | 776 | 23.5 | 1,430 | 105.9 | 20.7 |
| 千葉市 | 98.5 | 926 | 34.3 | 1,005 | 102.1 | 44.7 |
| 横浜市 | 377.1 | 752 | 21.9 | 4,140 | 109.8 | 84.9 |
| 川崎市 | 153.6 | 705 | 19.0 | 1,950 | 127.0 | 71.1 |
| 相模原市 | 71.7 | 768 | 20.2 | 975 | 136.0 | 61.1 |
| 新潟市 | 76.3 | 926 | 23.0 | 840 | 110.1 | 96.4 |
| 静岡市 | 67.4 | 820 | 13.8 | 1,100 | 163.2 | 33.9 |
| 浜松市 | 78.5 | 752 | 17.5 | 894 | 113.8 | 25.1 |
| 名古屋市 | 230.1 | 833 | 27.0 | 2,800 | 121.7 | 18.8 |
| 京都市 | 143.7 | 732 | 12.1 | 1,600 | 111.3 | 81.3 |
| 大阪市 | 279.2 | 954 | 9.2 | 未確認 | 未確認 | 127.3 |
| 堺市 | 81.3 | 813 | 17.1 | 910 | 111.9 | 56.7 |
| 神戸市 | 149.4 | 867 | 12.1 | 2,100 | 140.6 | 117.3 |
| 岡山市 | 69.6 | 1,039 | 35.9 | 750 | 107.8 | 21.6 |
| 広島市 | 117.4 | 775 | 14.6 | 1,100 | 93.7 | 93.3 |
| 北九州市 | 91.5 | 1,128 | 24.0 | 2,130 | 232.9 | 125.9 |
| 福岡市 | 165.7 | 852 | 13.1 | 1,651 | 99.7 | 122.9 |
| 熊本市 | 73.1 | 906 | 18.3 | 880 | 120.4 | 100.9 |
※ 焼却能力は、稼働中の施設だけを数えた集計です(休止中・建設中は除く)。大阪市は焼却工場を市単独では持たず、「大阪広域環境施設組合」が他の市町村分も含めて処理しているため、市単独の能力を出していません(組合の稼働中6工場の合計は3,800 t/日)。
3 北九州市の特徴をやさしく説明すると
🏭 工場の能力は「余裕」が大きい
北九州市の焼却能力は、人口に対して20市で最も大きい水準です。ただし、実際に燃やした量は、年間約38万トン。能力2,130 t/日で1年フルに動いた場合の約49%(粗い目安)で、能力の半分ほどを使っている計算です。能力が大きいことは、ごみが多いことでも、処理が優れていることでもなく、「受け入れられる量の大きさ」を表します。
🏢 ごみの量は「事業系」が目立つ
1人1日のごみ量は、会社やお店から出る事業系ごみが約610g、家庭から出る量(集団回収を含む)が約518gです。家庭の量は20市で中位なので、全体で最も多くなる背景には事業系ごみの多さがあると考えられます(産業都市として事業所が多いことが一因かもしれませんが、原因までは調べていません)。
♻️ リサイクル率は上位
かん・びん・ペットボトル・プラスチックは、色分けの専用袋で分けて出します。リサイクル率は24.0%で20市のなかでは上位(4〜5位)、全国平均の19.3%より高い水準です。
🌊 最終処分は海の処分場
焼却灰などは、若松区の響灘で海面を埋め立てて処分しています。1人あたりの量は20市で2番目に多い水準です。次の処分場の準備が進んでおり、ごみを減らすことが、処分場を長く使う鍵になります。
処理能力は施設の設計上の上限(t/日)で、実際の処理量ではありません。また、全炉が常時動けるわけではなく(点検・修繕で止まります)、市外からの搬入、事業系ごみ、施設の建て替え時期にも左右されます。リサイクル率や排出量は、集め方や数え方が市ごとに違うため、順位だけで優劣は決められません。人口は令和6年10月1日、ごみは令和6年度(2024年度)の実績です。
環境省 一般廃棄物処理実態調査結果 令和6年度(統計集。市別の施設表・ごみ処理概要のExcel) / 北九州市 焼却工場・日明工場・最終処分場・ごみ処理施設案内。 人口あたりの値・順位・使用率は、これらの数字から計算しました。
ごみ袋・ごみ捨て料金を全国・海外とくらべたページは ごみ袋は1リットルいくら? 全国・世界くらべ へ。
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